保険診療と自費診療には、大きく分けて「時間」「環境」「手間」「材料」の4つの違いがあります。
保険診療はアポイントの時間が限られており、どのメーカーのどの素材を使って何をするべきか、厚労省の定めた保険点数によって厳しく管理されています。
治療にあたっては医院の環境も重要です。例えば、他の泣き叫ぶ子供がいると、歯科医院に対して恐怖心を抱いてしまいます。
保護者様にとっても、待合室で泣き叫ぶ子供をあやす心理的負担は軽いとは言えません。当院では、アポイントの時間は、その子のためだけに使うことができます。
例えば、トレーニングに保険点数は割り振られていません。サービスで行うものという意識のもと、十分な教育を受けていないスタッフに丸投げし、 何度もトレーニングを行った結果治療は進まず、紹介を受けて来院する患者さんは大学病院時代よくいらっしゃいました。
トレーニングは、子供にとって歯科治療への第一歩であり、本人の理解度やキャパシティを把握して成功体験を獲得してもらう重要なプロセスです。 トレーニングを通じて必要性を理解させ、心の準備をしてもらう。万が一診療の中で泣いてしまった場合でも、 治療への協力や本人の努力に対してポジティブなフィードバックを返してあげる事で、歯科治療に対し前向きな気持ちを引き出す事ができます。
材料に関しては、修復材料などこだわりの素材を沢山並べたい所なのですが、あえて一つあげるとすればラバーダムです。
治療の際に口につけるゴムのマスクですが、子供の治療を行う際に口腔粘膜や舌の保護、詰め物や神経の治療で唾液が入らないようにする目的で小児歯科では必須の材料です。
使用せずに治療した場合、お口の中をタービンで傷つけたり、唾液中の細菌が入って詰め物をしたところに虫歯が再発する(二次カリエスの)原因となります。
治したはずなのに、またすぐ虫歯になってしまった、詰め物が取れてしまったという事は無いでしょうか。
医療費削減の名の下に、安全性やクオリティは時として置き去りになってしまうのが現状です。
多くの子供に医療を提供するための保険治療ですが、中にはしっかり時間をかけて、向き合ってあげなければいけない子が必ずいます。 それは個性であり、特性であり、その子のキャラクターそのものです。
時間と手間をかけて向き合ってもらい、良質な医療を受けられたという体験は必ず本人にとっての一生の財産となります。 人数は多くなくても、その子の未来をより良くするために良質な医療を提供する。それが当院の至上命題です。
初診には1時間の枠をお取りします。
閑静な住宅地にある診療所で、他の患者さんの目を気にせずゆったりと、
お口の中の疾病だけでなく、全身的な発達状態も確認していきます。
(※パントモX線写真・口腔内写真を含みます。)
初診から口腔内スキャナーを用いて「歯並び、虫歯などを見える化」し、
問題点を洗い出します。
子供の発育は一人一人異なります。
これから何が起こるのか、何でしなければならないのか、
しっかりと本人が理解すれば、普通の歯医者さんでは泣いてしまうような子でも、上手に診療を受けることができます。
「まず病気を治療してから、ゆっくり理解していって欲しい。」
「お子様ご自身の意思で治療が受けられるように、何時間でも付き合って欲しい。」など、保護者のご意向、方針もきっちり汲み取った上で行っていきます。
大人と子供の治療は、考え方が異なります。
いずれ生えてくる大人の歯並びを見通した上での治療が必要になっていきます。
データと経験をもとに、先を見通した治療を行っていきます。
保険ではカバーしきれない材料や器具を用いることで、より良好な結果を得られるでしょう。
お口の中に、汚れは一生たまり続けます。
虫歯だけでなく、歯並びや歯ぐきの問題も出てきます。
定期的な清掃とフッ化物の塗布はもちろん、口腔内スキャナの3Dデータの画像診断により、 肉眼で見にくい初期虫歯の進行具合や、歯のどこに汚れがついているのか、以前より磨けているのか、 しっかりとフィードバックを行い、本人・保護者が共に手応えが掴めるよう指導していきます。
※料金は全て税込みとなります。
デジタルスキャナーによる口腔内立体画像審査 三次元画像う蝕リスク評価 簡易治療計画、呈示 |
11,000円 |
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PTC(プロフェッショナルクリーニング) フッ素塗布 フィッシャーシーラント填塞 三次元画像管理 リスク評価、各種指導 |
11,000円 (3ヶ月ごと) |
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低粘度レジン浸潤修復、初期虫歯(ホワイトスポット)への治療 |
1回 33,000円 ※1歯増えるごとに5,000円追加 |
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コンポジットレジン修復 |
22,000円 ※隣接面3,300円加算 |
グラスアイオノマー修復 |
22,000円 |
既成金属冠補綴 |
22,000円 |
CAD/CAM冠補綴 ※白い被せものになります |
55,000円 |
フッ化ジアミン銀塗布 |
3,000円 |
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MTAを用いた生活歯髄切断 |
44,000円 |
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抜髄、感染根管処置 |
22,000円 |
貼薬処置 |
5,500円 |
根管充填 |
22,000円 |
乳歯抜歯 |
5,500円~ |
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調整料 |
3,300円 |
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ステフェン装置(前歯の審美性を回復する物) |
保隙する歯数に準じる |
バンドループ等少数歯の早期喪失に対する保隙 |
33,000円~ |
リンガルアーチ等複数歯の早期喪失に対する保隙 |
66,000円~ |
垂直的保隙装置(咀嚼能率を回復する物) |
66,000円~ |
各種立体画像検査、精密診査診断料 |
55,000円 |
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調整料 |
5,500円 |
一期治療(小児期で完結する症例) |
330,000円 |
二期治療を含むもの(永久歯放出後も処置が必要な症例) |
合計で880,000円 Ⅱ期移行時に割引があります。 |
ご本人の成長に寄り添ったオーダーメイドの治療を実現させます。 また治療だけでなく、成長を予測したリスクへの指導。そして何より診療所に来るのが楽しみになる関係性を目指します。
中学校に入り自我が芽生え、部活や勉強に忙しくなります。親の手を離れた、子供と大人の中間の時期。 実はとっても虫歯になりやすいです。歯並びの問題が顕著になるのもこの時期です。
大人になったら別の医院に行ってください、という小児歯科は多くあります。 年齢が来たら急に放り出すのではなく、その子が子供だった頃を知ってるからこその治療と指導を、生涯に渡って継続します。